「日曜日話があるからきてください」
帰宅して、家でも病院にいるときのまま
携帯電話をマナーモードにしていたら、
ははからメールと不在の着信が4度も。
ははのメールはこの一文のみ。
日曜日に話って何だろう。
夜の回診のときに、先生に言われたのだ。
まさか退院の話が日曜にあるわけでなし。
「日曜」とあるのは「明日」と打ち間違えたか。
すぐに聞き直したいが、ははの携帯電話も
マナーモードに設定してあるので
メールを送ってもよんでもらえない。
明日病院に行けばわかること。
そうなんだけれども。
どうしても考えは悪い方へいってしまう。
術中にとったリンパ節を見直した結果、
転移があったのか。
今日のレントゲン検査でほかに何か見つかったのか。
ははの電話とメールに気づいてから
心がざわつきだす。
ははのいとこのお兄ちゃんがちょうど電話をくれた。
「いまから心配したってしょうがないよ」
その通りなんだけど。
だけど引っかかってくる。
明日のことを思い煩うなかれ
明日のことは明日思い煩え
一日の労苦は一日にて足れり
『新約聖書~マタイによる福音書~』
もう寝よう。